遺言

一緒に生きたい

あーあ

「独りだと思い込まないで」

「あなたは独りじゃない」

私はこの手の甘言が大嫌いだ

 

じゃあ、お金ちょうだい。四六時中そばに居て。あなたの大事な家族を捨てて、私と居て。

そう言ったらどう答えるのだろう

何一つ寄り添って応えられやしない癖に、よくそんなこと言える

独りじゃないと言うならあなたがそばに居て証明してよ。なんとかなると言うなら何とかして見せて。

人間は汚い

普段目も留めないくせに死のうとすればそんなことを言ってくる。

なにか起こさなければ見向きもしないくせに途端同情する。

都合よく見てくれだけ神様みたいに振舞って中身は腐った悪魔。無能のくせに。

 

とはいえ、そんなのはずっと昔から知っていたことである

保育園の頃いじめられていた私は、勇気をだして泣いて見せた

先生助けて、あの子が虐める。

先生は頭を撫でて言うのだ。

「あの子はそんな事しないよ、なにかの勘違いだよ」

そして、「なにかあったらいつでも言ってね」と

 

保育園に行きたくなくて愚図る私にお母さんは言った

先生に相談してごらん

困ったような顔をしていた

早く保育園に行ってよ、そういう顔

だからもう結局誰も助けてくれないんだと解った

 

孤独は一生消えない

どうしたって、解消されないことを知ってる

たとえお金を貰っても、生活を保証されても、何もかも捨てて四六時中一緒にいてくれたって、私は何一つ満たされない

だから分かりきったことだけど、

ただそんなふうに生半可な気持ちで無責任なことを言う奴らは大嫌い

どうせ何も救えない、覚悟もない奴らが救世主気取りしてるのは。