遺言

一緒に生きたい

夢の話

夢にあきちゃんがでてきた

あきちゃんはあの頃みたいに優しくて、おうちや街を案内してくれた。でも、あの頃とは違う新しい環境で楽しく生きてる様で、眩しくて泣きそうだった

あきちゃんの本当の家とは全然違うけど、遠くまで真っ青な草はらと、見下ろす街を飲み込むように影を落とす高い山の際のオレンジ色が静かで穏やかで

相変わらず恋人らしい男性はいなかったけど、親切そうな友達と話しているあきちゃんは、とは言っても楽しそうに見える

在り来りな、家庭を築いて平穏に暮らしていくことこそが幸せなんて間違っている。だけど、自分が一番遠いところに、決して手の届かないところに幸せがあるというなら、諦めもつくのに……

涼しい風に畳の匂いがする

たまたま出会った友達と話してるあきちゃんを眺めながら、高いところにある窓の紫を見た

あの頃のままであれたら、こんな気持ちにもならなくて済む、けど、もうどこにも残滓さえないのに、懐古のために会いに来るのをやめよう

やめようと思うのに、時々すごく寂しくなる

理由がなければ会うことも出来ない私が、一体いつまで友達で居られるのだろうと思うと

こんなに沢山人がいる中で、私が友達で要られる理由なんてどこにもなくて