遺言

一緒に生きたい

誕生日

誕生日だった。去年の誕生日も、今年も、うんと特別な誕生日だった。いままで、祝われるようなものじゃなくて、自分さえも忘れる日だったのにね……

いい加減この黄色い髪の毛もやめなきゃなあというのと、ここまで薄くするの大変だったし最後は染めてから黒くしたいなと思いながらもまだまだ会うことは出来ないから、せっかくならと、もう少しだけ薄くして、暗めの紫で染めた

まあ……見てくれだけ綺麗ならいいやと思って(どうせすぐ抜けちゃうだろうし)結構ムラがひどい

それでも明日は彼女さんと話せる!と何も疑わず楽しみにしてたけど、いざ当日早起きしてそわそわしていたら、そんな約束してなかったんじゃ……ということに気づいて、結局最後まで言い出せなかった

彼女さんにとっては大事なお休みだし、予定があるかもだし、私がそう言うことで変に気を遣わせてもいけないなあと思うと怖くて…

 

朝は晴れてたのに昼頃土砂降り

湿度の高さにイラつきながら、お話したいけどどうしよう…という気持ちと、ずっとお話する!って思っていたからには、今日は何をすればいいのか?と手持ち無沙汰になり、自室と居間を言ったり来たりしながら家に一人なのをいいことにくだらないことに精を出してた

ほかの些細なこともあり私めんどくさいかな?と思い始めたら彼女さんに嫌な思いさせたり気を遣わせてるんじゃないかと思えて、申し訳なかったり自分にいらいらしたりだんだん落ち込んできて…自分だって、どうだっていいと思ってた誕生日、本当にひさしぶりに祝ってもらえて、今日は特別な日!と、自惚れていた

寂しくなって、嬉しくもないくだらないDMで気を引こうとしたりして、ほんと、いい歳になってガキみたいなことしてる

ごめんね……

 

それでも家族にはおめでとうと言ってもらって(言わした)、夕飯はだいすきなヒレカツと、ケーキ食べて、幸せだった

ふふ!

日付が変わってすぐ、彼女さんにおめでとうと言って貰えたのが本当に嬉しかった。

私は家族としか関わりがないような人間だし、何かあって悲しんでくれるのも家族くらいだったけど、今は、だいすきな彼女さんが生まれたことを祝ってくれて、本当にうれしい。

早く会いたいな……

 

そう言えば近所の人にすぐ友達の影響受けて……ってうるさく言われたけど、別にいいじゃん 私には似合わないけど彼女さんの陽に透けてきらきらひかる鮮やかな髪の毛はとても綺麗だったし、なんとなく、染めて一緒に遊んだら楽しそうだなと思ったんだもん

それに彼女さんは、私のことかわいいって言ってくれるもんね!

いい歳して……って言われちゃうけど、彼女さんが喜んで褒めてくれたらそれだけでいいのだ