遺言

一緒に生きたい

「あいしている」

昔はよく使った言葉だ

それに、そこから遠い、例えば赤が本当の意味での「愛している」なら、青や黄色の愛してるだったら簡単に言葉にできた(それは、軽んじているという訳ではなくて。)

でも、でも、真っ赤に染まれば染まるほど、愛おしく想えば想うほど、そう、言うことが難しく感じて

だから、あの時言った「あいしてる」は、心から沁み出て溢れたことばだ

愛してなかったんじゃない、なんだか気恥ずかしくって、言えなかった、いっとうたいせつなことば。

一度あふれたらもう留まることを知らない、あつい気持ちたち

好きだよ、あいしてるよ、なんてことば、何度伝えてもぜんぜん足らないし、手を繋いでも抱き締めても埋めることが出来ない。ひとつになれない。

でも、

わたしたち、ひとつじゃないから、守ったり、寄り添ったりできて、独りきりじゃないんだね…

ひとつじゃないからこうしてお話して、触れ合って、一緒にしあわせになれるんだね

それってとてもすごい奇跡だ

ずっと希ってきた

 

あ、でもやっぱちょっと気恥しいな

顔が熱くなる

それでも、あいしている

いちばんいちばん真っ赤な色で、あいしてる