遺言

一緒に生きたい

あの頃も今も、朝は白いまま

懐かしいな

カーテンを締切っていても容赦なく朝は滲む

夜に逃げてもカラスが鳴いて朝が来る

あの頃からなにか変わったかな?

何も変わらないかな。

1年経って、2年経って……

住む場所が変わって、生活が変わっても

私はきっと同じように朝を迎える

 

人の顔を覚えられないのに、未だに

先生に似た人を見るとはっとする

もう二度とあわない、あうこともない

でも今日もあのころと同じように、先生も、変わらず、穏やかな朝を迎えられていたらいいな

どんな出会いかたをしてどんなふうに別れた人もみんなみんな

それぞれが等しく幸せであればいい

 

あの人が、

言ってた「やさしい気持ち」

多分こういうものだと思うの

どんな感情を抱いていたとしても、憎くても愛しくても好きでも嫌いでも

少し世界から離れているときにはこうして

だからあの人も同じように、優しい朝を迎えていたらいいな