遺言

一緒に生きたい

もうすぐ夏になる

5月11日、あの人のお誕生日だ

去年はその日の夜に荒れて、それからしばらく貧血に苦しんだわけだけど

あの時も死ねなくて、だけどそれで良かった

よかった。今は幸せだよ、すごく

 

私は優しくなどない

すごく冷めた目で人というものを見ている

比べて私が優れているなんて思ってないけれど、大方、くだらなくて、馬鹿げていて、私は人というものがきらいだから

かといって

弱っている人を見ていると声を掛けずにはいられない、あの人も優しくは無いと思うけれど

(先のあの人、とは違うひと)

 

もしも今、彼女さんと私がただのともだちだったとしても、私は彼女さんになら私を割いていた

ほかの誰かではなく、彼女さんにだけ、時間も手間も割ける

あの日そうすると決めた時、それよりもずっと前から、そう思っていたし、覚悟した

満遍なく優しさを振りまく器用さも度量もないくだらないいち人間だから、何よりも心配で守りたい彼女さんひとりだけに、私ができる限り優しくするって…

私は優しくなんてないよ

 

恋人になってたくさんのものを許されて、抱き締めるのも、他の誰にも見せない彼女さんを見ることもできる。いっとう大事にされて、未来に寄り添えて、こんなに嬉しくてさいわいなことは無いのだけれど、もし特別を許されていなかったとしても、私、彼女さんがだいすきだった。彼女さんのことを想ったり願うことを止めない、それは恋心とは少しちがうものだったかもしれない 想われなくても良くて、彼女さんが幸せだったら、私は多くを満たされたと思う

一方で、我儘な私は、嫉妬もしたと思うけれど……

 

彼女さんが幸せだといいな、が、彼女さんと幸せになりたい、になる

そう思うことも許されて、救いたかった彼女さんに、私も救われたの

私は優しくないけど…、彼女さんが優しいと言ってくれると、安心する。優しくしてあげられていてよかった、って

彼女さんのこころにうつる私が、優しいといい