遺言

一緒に生きたい

思い慕うこと

名古屋に行った

多分だけど、想い慕っている人は名古屋に居る

だからその地の空気や煌びやかさに胸が切なくなった

会うことなど決して無いのに、姿も知らないのに、ひとめみれたらどれだけしあわせだろうと思った

2日目には空港に行った セントレア空港、あの人も、その人も呼んでいた名前

ただの空港の名前と言えばそれまでの、その呼び名に高揚した 特別な感じがして、遠いいつか、あの人が踏んだ地に、泣きそうなほどに

 

思慕とは消えることがないものなのかもしれない。今でも恋や愛を明確に定義することはできないけれど、それとは確実に違う、もっと淡くて…期待のような感情、どうか幸せであってほしいと、願って止まない、そういう類の。

誰もに抱くものではない、深い気持ちではあるけれど、深くを望むものではない

風になれたら近くを通り抜けたい、髪を揺らしたい、かつてそう願った、それが一番近い

 

今思えば違うとしても、それは、恋とは違っても愛とは似ていた、のではないかなと思う

ひとりきりだったとき、唯一の拠り所のようなものだった

愛されることがなくても、愛していたいとは思うものだ、と、自覚する瞬間は多い

触れられないから、触れたいと思うのと似てる

 

今はこんな私のことを愛してくれる人がいて、その人こそがかけがえのない大事な人。それは絶対に変わらない

けれど今まで慕ってきた人が無になることも、きっとない

比べられるものでも比べるものでもなく、心の底にあり続けるのだと思う

その人を想うことで生まれた私がいて、過ごした日々がある限り、何かや、誰かを嫌いになることや忘れることなんて無いのだ

 

また行きたいな、と思う

名古屋にも、鹿児島にも

かのひとに会えなくて構わない、その人が過ごした場所を、ほんの少しでも共有したい