褪めた水
飽きずに定型文を堂々と吐き捨てるキャスターも虐げられて死んでいく命も、同じ、ひと
あんなふうに辛いことさえきれいに客観視できるようになったら、辛いと感じることさえなくなる
化け物を見てるみたいで嫌だ
つらいという感情が分かるうちは、つらいものに触れすぎるのは良くない気がする
自分と他人の境を上手く測れないようなひとはきっと、特に、
それが上手くなったらわるいニュースとも向き合える
、客観という冷たい目を持って
とは言いつつ、きれいなままで生きていくのなんて無理で、綺麗であり続けることを子どもと呼ぶこの世界では、多少皮膚が硬いくらいが丁度だから
それでも、見たくないものから目を塞ぐことを許して欲しい、許したい
誰だってきっと、痛いことは避けて通りたい
知らずに済むなら知らないままで
降り続く雨がいまも土を削っている
差し伸べても一しか救えないこの手なら、せめて、大事なひとを守りたい