遺言

一緒に生きたい

おやすみ

1話から読み返してるけどやっぱり遣る瀬無い

遣る瀬無い、という感情がいちばんぴったりだなあと思う。

例えば、これは彼女さんの話から思ったことだけど……「しっかりした大人」というもの

私、昔大人はなんでも出来て、いちばん偉いんだって思ってた

だから従わなきゃいけない、って

けれど大きくなって大人と接してくうちに分かったの、私もそうであるように……大人も、身体だけが歳をとった「大きな子ども」なんだって、

子どものように不安になるし、悲しくなるし、泣きもする 責任からは逃れたいし、みんな自分勝手だ

ただ得たとしたら体裁の重要性くらい

そんな程度の、完璧からかけ離れた存在に、しっかりするを求めることは難しいのかなって、今は思う

誰もが自分のしたいことと誰かの望みの間で折り合いを付けて生きている

一言で言えば自己犠牲、ささやかで綺麗なのは、思い遣りと呼べる

誰かの幸せを願って、そっと差し出す、時間、関係、大切な物、自分自身

それに相手が気づくこともあれば、踏み躙ってしまうことさえあって……殆どわたしたちは気づかず過ごしているけれど、いつも誰かの思い遣りに包まれて生きているということを、再確認させられるような、こまごまとしたもので構成されている

それがプンプンだと思う

 

彼を取り囲む大人、誰もが悪と言えばそう

けれどその悪だってどうしようもなかった

そういう遣る瀬無さ