遺言

一緒に生きたい

降り積もるひとひら

懐かしいことを思い出した。1年生だったか、東京研修、と言う名の小旅行、進学校らしく大学見学。明治大学と……ほか色々。それからなんか、近未来的な内容の博物館。ちょっとしたワークショップ。学生の時は好い、イベントの全てがデート気分で。それでも、本当、くだらないことでたくさん喧嘩した。

昔は、今のように冷静ではいられなかった

感情的で、打算的で、相手のことも隅々まで知り尽くして、私のなにもかもを理解して欲しかったし、理解できないなんて許せないと言うほど、過激だった

高校生の頃は泣いてばかりだったから

膿んだ傷口にめちゃくちゃに絆創膏を貼り付けて、治らない瘡蓋をぶって、ぐしゃぐしゃになりながら「好き」なんて、まったく良くない、な

相手にも悪いこと、したなって

謝っても謝りきれないけれど

もっと私がちゃんと、色んなものをだいじにできたなら、今もともだちでいられたのかもしれないのにな……

 

結局、例えどんな仕打ちがあって、別れ方が最悪でも、そのあと不幸になっても、私は誰のことも憎んだり嫌ったり、できないんだ

嫌なことは嫌 怖いことは怖い

でもやさしい思い出をぜんぶ、今も愛おしく想う

さよならのいつかなんて、想像したくもないけど、今までにいくつもさよならがあって、どれも、ちゃんと治った試しがない

今も痛いまま、過去と看做し先に進むことも出来ず、ずっと懐かしさに浸っている

いくら思い出をかき集めても、あの頃には戻れないけれど、何一つなくしたくない

今更後悔はない、それでも

あの時、あの人たちに出会って、いくつもの美しさに触れて、私は本当にしあわせだった

今度は、傷つけてしまうことの無いよう、だいじに、だいじにするんだ

さよならを、想像したりしない。でも、何があっても、しあわせだった時間を憶えている