遺言

一緒に生きたい

大好きな人と、お話をしていた。それはとても何気ないことで、私はそれがとても嬉しかった。

そこに家族が乱入してきて、「どうにかしてください。あなたなら出来るんでしょう」

と喚き散らして、私は本当に、本当に、本当に嫌で不快で、止めてくれと思ったし、申し訳なかったし、消えたかった。

 

家族が無理矢理取り付けた食事会で、その人は少し私を責めるような感じの雰囲気だった。迷惑を掛けたのだから、当然のことで、申し訳なくて、くるしかった。それでも気遣うように話をしてくれたその人に、本当はこんな場所じゃなくて、こんなふうじゃなくて、こんなことじゃなくて、話したいことがもっとあったのに、と思いながらも、もう私からは何も言えなかった。

少ししてその人はもう帰りますね、と、席を立った。もう二度と会えない。話すことも。と思うと、後悔ばかり溢れて止まらなかった。