遺言

一緒に生きたい

あなたも私も、生きている

最近の私は「分からない」が好きだなあと思う

言葉は呪文だから、前の私がそうしたかったように、今の私も、そうしたいのだ、と思う

分からないとして、もう考えるのをやめたい

きっと、そうすることでしか、折り合いがつけられないから

悪い言葉ばかり書いているとそうなるんだ。それは知っている。でも、それは止めない方がいいものだとも、思う

書くことで確定する物事も、書くことが招く願望も暗示も、分かっていたなら止められる訳じゃないのだと

 

息をするように言葉を吐いていたい

誰に見られることも無い此処で

きれいな言葉もきたないのも

それは私の中を巡る思考の一部でしかないけど、確かにあって、塞ぐことが出来ない

だからもう、いいや、と思う。いっそ、悪影響など考えるのをやめて、素直に

 

ああ、生きている。これがどれほど嬉しいことか、よく知っている。心臓がどくどく動いている。体は温かい。だから、本当に良かった。良かった。生きてて、良かった。良かったよ

生きていることは時々とても苦しいし、命に逆らわないで生きることも出来ない私、私だからわかる、のかな、

「死なない」未来は確実にない。いつか死ぬ。それも、「遠いいつか」なんてことは、願いでは有れど当然ではない。明日かも、今日かも。本当に、命はたいせつでかけがえがない。とても儚い。自己とか義務とか責任とかいう前に、これが無ければ、全て無になってしまうから

大袈裟なんかじゃ、無いよ。生きている。いつか必ず来る死にむかって生きている。本当に、生きてて良かった。私も、あなたも。

 

生きているんだ。生きているあなたから、生きている私に、言葉を聴かせて欲しい。生きているあなたが好きなんだ。あなたの事は、殆ど知らないけれど、あなたが生きていてくれることがこんなにも嬉しい。同じ様に何処かで朝を迎えて夜を過ごして、その中で考えるものも感じることもきっとまったく違う、あなたの、それを聴きたい。夕方の風に混ぜる淡く冷えた水色の歌。流れていく。そういう様に、涼やかでやさしい、あなたの言葉を聴きたい…

ああ、どうか、どうか。幸せに、穏やかに。どんな時も、満ち足りて悔いのないように。どうか生きて、生きて、生きて笑ってください。

私が死ぬ迄、どうか声を聴かせて