朝、走るようになってよかったのは、いつ、朝が来るのかわかったこと。
夜は優しくて、世界から私を切り離して、匿ってくれる。だから夜が好き。生きていくために関わらないとならない全てを絶ってくれる
けれど夜は朝に殺されて、カーテンの裾から容赦なく滲んでくる 鳥のさえずりを連れて、始まりを報せる
いつ夜が死んで、朝に変わるのか、薄暗い部屋で怯えて、知りたくもなかったけれど、外に出てみれば爽やかだった
好いもの、ではない だけど、夜は死んだ訳じゃなかった
夜は西へ帰っていく カラスの鳴き声とともに
赤と紫……虹のように環を成して、巡っている
なんだか安心した。
朝が来なければいいのにとは、相変わらず思うけれど、ひとまずは