遺言

一緒に生きたい

おはかまいり

昨日をうまく生きられなかった私達はきっと明日もうまく生きられない

去年の今頃はつらかった
現実味を失ったどこでもない今を生きるかばね
あの世ともこの世ともつかぬ。
不確かな世界から外れ取り残された私には、夢の世界だけが癒しだった。目を閉じれば夢が私を癒した。

閉じきったカーテンから漏れる陽は秋らしく爽やかで、死を醸す
そののち鈍色の冬の爪先
氷水のような雨を聞きながら裂けた傷口を血で濡らし、夜に隠れて儘ならぬ己を回顧する

抜糸には行け、なかった

土砂降りに遭ってがたがたとふるえる身体を抱いて、雨が止むのを待った

結局、晴れることは無く