遺言

一緒に生きたい

彼の居るところ

もうすぐ一ヶ月が経っちゃうけど未だ彼女さんとのデート旅行の日記を書いてる。普通の大学ノート、campusの、青、B罫線、けど普通のより枚数が多くて分厚いやつ。お気に入りのお話を書き写すのが好きで、それ用に1冊、大学生の頃は忘れては行けない予定や事柄を書く為に常に持ち歩いていたので、いちいち変えるのが手間だしと1冊。今でもそれは、なんでも書くノートで、日記もそれに書いてる。私はだらしが無い上変なところを気にするから、卒展の諸々を書くのに裏表紙側からも使っている。このノートをおろしたのはちょうどその頃。最初は、主にお話ノートだった。

今はほとんどノートでお話することなくなったけど、時々はこれでお話する。ひとり眠れない時なんかは、頭の中、お部屋で。

 

とても広いお部屋。きっと25メートルプールと同じくらいか、それよりちょっと小さいくらい。扉を開けると、右手側が広く、そのまま進むと壁よりにベッドがある。病院にあるような感じのパイプベッド。サイドランプもある。私と同じお布団。その奥には壁一面、部屋の隅まで続く大きな窓がある。カーテンはあるけどあまり引かれてない。窓からの眺めは高く、少し遠い所に街の灯りが見える。部屋の1/4くらいまで窓辺に寄せてカーペットが敷かれていて、彼はよくそこに座って外を見ている。白木のフローリングには青い積み木と描きかけの紙がちらばってる。けど、部屋のほとんどは何も無い。窓を背にして、左手、奥の壁には小さなキッチンがあり、ケトルとマグカップが置いてある。右手の壁には描いた絵が幾つかピンで留めてある。照明はシーリングライトひとつだけどつけると結構明るいの。でもあまりつけてるの見た事ないな。つけてるとしたら、ベッドで本を読んでる時のサイドランプくらい。これは橙色の優しい光。あとは、時々、シーリングライトの常夜灯。夜は月のあかりが大きな窓から差し込んで、それだけでも明るい。

彼はずっと、窓の外をみてる、きっといまも

寂しくないって言ってくれるけど、多分そんなことなくて、

ただ、いつでも、優しくて何もかも許してくれる彼に、昔も今も救われてるの

 

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